本日は、海外の論文をわかりやすく紹介したいと思います。
夜間の嗅覚刺激で記憶成績が改善した研究
Nightly olfactory enrichment using an odor diffuser improves memory and modifies brain structure in older adults
(夜間の嗅覚刺激は高齢者の記憶力と脳機能を改善する可能性がある)
Frontiers in Neuroscience(2023)
【要約】
2023年の研究では、60〜85歳の健康な高齢者に、夜間2時間、香りを拡散する介入を6か月行いました。その結果、香り刺激を受けた群で言語記憶課題の改善が報告され、脳画像でも記憶に関わる神経経路の変化が示されました。
最も驚くべき結果は、
記憶力テストが226%改善
したことです。226%ってすごくないですか?!
みなさんの疑問はきっとこうでしょう。なぜ「におい」が脳に影響するの?
嗅覚は五感の中でも特殊です。視覚や聴覚と違い、においの情報は記憶や感情を司る脳の領域へ直接届くことが知られています。
そのため、嗅覚への刺激は
- 記憶
- 学習
- 感情
に強く関係すると考えられています。
だから、嗅覚トレーニングに決して特別な機械は必要ありません。
例えば、

- コーヒーの香りを意識してみる
- 柑橘系の香りを楽しむ
- ハーブやアロマを活用する
- 季節の花の香りを感じる
など、「におい」を普段から意識して嗅いでみる。
脳への刺激になるかもしれません。
「においの変化」は認知機能低下のサイン
Olfactory Dysfunction in the Alzheimer’s Disease Continuum
(アルツハイマー病の進行過程における嗅覚障害)
2024年レビュー論文
認知機能低下の早期発見において「嗅覚(においを感じる力)」が非常に注目されています。
研究によると、認知機能の低下が検査で見つかるよりも前に、嗅覚の低下が起こる可能性があります。
この論文によると、アルツハイマー病の前段階である
- 主観的認知機能低下(SCD)
- 軽度認知障害(MCI)
の段階から嗅覚機能が低下していることが報告されています。
特に低下しやすいのが「何のにおいかを当てる力」です‼️

「あれ?ちょっとおかしいかな?!」って思った方は、においを当てるクイズをやってみると早期発見につながるかもしれません。
物忘れだけで認知機能が落ちた!って判断するものではないですね。
逆に言うと、においが感じにくくなったことは、黄色信号かもしれません。
注意点
香りが苦手な人、喘息やアレルギーがある人、気分が悪くなる人は無理に行わないようにしましょう。
