最近の『ちょっと気になる・・・』は、脳と身体からのサインかもしれません。

物忘れ、集中力の低下、会話の中で言葉が出にくい、外出がおっくうになる。
その変化を、年齢のせいにるのではなく、脳と身体の習慣を見直すきっかけにしましょう。
認知機能とは、“日常生活を自分らしく続ける力”です。
認知機能というと難しく聞こえますが、日常生活ではこんな力として現れます。
| 認知機能 | 日常生活での例 |
|---|---|
| 記憶 | 約束や予定を覚えておく |
| 注意力 | 料理中に火を見ながら別の作業をする |
| 判断力 | 買い物や予定を決める |
| 遂行機能 | 段取りを考えて行動する |
| 空間認知 | 道順や位置関係を把握する |
| 言語機能 | 言いたい言葉を思い出して会話する |
ちょっとした物忘れだけで『認知症だ』と、決めつけがちですが、認知機能は14の機能に分けられるとも言われています。不安や焦りを感じてしまう前に、落ち着いて低下した機能に対してトレーニングすることが有益です。
一方で、1つ2つの認知機能の低下だけで日常生活ができなくなることはないため、ご本人やご家族が気付くまでに時間を有する場合もあります。
最近の“ちょっと気になる”チェック
このチェックは、認知症を診断するものではありません。
最近の変化に気づき、必要に応じて相談や生活習慣の見直しにつなげるための目安です。
「ほとんどない=0点」「ときどきある=1点」「よくある=2点」で自動計算されます。
点数が高い場合でも、睡眠不足、ストレス、うつ状態、薬の影響、聴力・視力の低下、体調不良などが関係していることがあります。
一方で、点数が低くても、本人やご家族が強い違和感を感じている場合は、早めに医療機関や地域包括支援センターなどへ相談してください。
脳の元気は、体の動きと五感の刺激から生まれます!
私たちの脳は、身体の動きや五感からたくさんの情報を受け取りながら働いています。

・歩く。立つ。バランスを取る。
・見る。聞く。触れる。匂いを感じる。味わう。
・人と話し、周囲の変化に気づき、身体を使って行動する。
こうした日常の一つひとつが、脳にとって大切な刺激になります。
じゃあ、何からどう始めれば良いの?
まずは、今日できる小さな一歩から。
認知機能トレーニングに、特別なことをいきなり始める必要はありません。
大切なのは、日常の中で 「身体を動かす」 「頭を使う」 「五感を使う」 機会を少しずつ増やすことです。今日できそうなものを選んでみませんか?
◆ 身体を動かす

- 10分だけ歩く
- イスからゆっくり立ち座りする:5回
- 片足立ちでバランスを取る:左右10秒ずつ
- 足踏みをしながら腕を振る:1分
◆ 頭を使う

- 昨日の夕食を思い出す:3つ
- 今日の予定を声に出す:1日の流れを確認
- 100から7ずつ引いてみる:できるところまで
- 買い物リストを見ずに思い出す:3つ
◆ 五感を使う

- 季節の花や空の色を見る:1つ見つける
- 好きな音楽を聴く:1曲
- 食事の味や香りを意識する:ひと口目だけでもOK
- 手で素材の感触を感じる:10秒
- いつもと違う道を歩いて景色を観察する:見つけたものを3つ覚える
ご家族へのメッセージ
ご家族が感じた『少しの違和感』も、大切なサインです。
「最近、少し忘れっぽくなったかも」
「外に出る機会が減った気がする」
「前より元気がないように見える」
そんなご家族の気づきは、とても大切です。
本人は、自分の変化に気づいていても、不安や恥ずかしさから言い出せないことがあります。

だからこそ、責めるのではなく、一緒に確認することが大切です。
① 責めずに聞く
「なんで忘れるの?」ではなく、
「最近少し気になることある?」と聞いてみる。
② できていることを見る
できないことだけでなく、
今もできていること、続けられていることに目を向ける。
③ 一緒に小さく始める
散歩、会話、食事、予定の確認など、
日常の中で一緒にできることから始める。
家族の関わり方ひとつで、不安は少し軽くなります。
大切なのは、できないことを探すことではなく、これからできることを一緒に見つけること。 その小さな関わりが、本人の安心と「まだやれる」という気持ちにつながっていきます。