~低下しやすい機能と維持されやすい機能を知ろう~

テレビを見ていて『あー、ほら!この人!えっと、名前なんだったっけ?!』
「さっき、近所の人に会ったんだけど……名前が出てこないのよ」
名前を思い出せない、そんな変化に気づくと、
「認知機能がどんどん低下しているのでは…」と不安になることがあります。
しかし実際には、認知機能はすべて同じように低下するわけではありません。
加齢に伴い低下しやすい機能もあれば、維持されやすい機能もあります。
今回は、その違いについて分かりやすくご紹介します。
年齢とともに低下しやすい認知機能
① 処理速度

処理速度とは、『脳が情報を理解し、反応するスピード』のことです。
例えば、
・周りの人の会話を聞いて、何のどんな話をしているかを理解する
・お店までの距離と歩く速度を計算して、家を出る時間を決める
・状況を把握して、どう動くべきかを判断する
といったことです。年齢とともにゆっくりになることが知られてます。
② 注意力
注意力とは、必要な情報、対象に意識を向ける力です。
例えば、
・運転中の信号や標識を見る
・会話聞きながら意見を考える
・夕飯のメニューに合わせて歩きながら商品を選ぶ
といった場面で使われます。
特に、「二つのことを同時に行う力(デュアルタスク)」は加齢の影響を受けやすいと言われています。
③ 新しいことを覚える力
新しい事、情報を覚える力も、年齢とともに変化しやすい機能の一つです。
例えば、
・新しく出会った人の名前
・先日したばかりの約束
・2日前の出来事
などです。一方で、昔の思い出は比較的保たれることがあります。
維持されやすい認知機能
① 知識や経験
長年の経験から得た知識は、比較的維持されやすいことが分かっています。
例えば、
・趣味の知識、スキル
・仕事の経験、スキル
・人生経験

などです。認知機能が低下しても大工仕事が得意な方もいます。
② 言葉の意味
人は年齢を重ねても、言葉そのものの意味や語彙は維持されやすい傾向があります。
そのため、人生経験を活かした会話や助言ができる方も多くいます。
③ 人との関わり

会話やコミュニケーションを楽しむ力は、環境によって維持しやすい機能です。
家族との会話や社会参加は、認知機能への良い刺激にもなります。
大切にしたいこと
認知機能の変化を見るとき、私たちはつい「できなくなったこと」に目を向けてしまいがちです。
しかし、
まだできること。得意なこと。好きなこと。
そうした力もたくさん残っています。認知機能を考えるときに大切なのは、失ったものを数えることではなく、残っている力を活かすことです。
