筋トレは脳に関係ないと思っていませんか?
実は「筋肉と認知機能」には科学的に示されている深い関係があります。
「認知症予防には脳トレが大事」だと聞いたことがある方は多いと思います。
では筋トレはどうでしょうか?
「筋トレは脳には関係ない」と思われるかもしれません。
しかし近年の研究では、
筋力トレーニングが認知機能の維持や向上に関わる可能性

が数多く報告されています。
今回は科学的な研究を3つご紹介します。
研究① 筋トレで記憶力や判断力が改善した
2025年に発表された17件の研究をまとめた大規模なメタアナリシスでは、
筋力トレーニングを行った高齢者は、
- 全般的認知機能
- ワーキングメモリ(作業記憶)
- 言語記憶
- 空間認知能力
に改善が認められました。
つまり、
筋トレは筋肉だけでなく脳機能にも良い影響を与える可能性がある
ことが示されたのです。
研究② 筋トレは軽度認知障害(MCI)の人にも効果がある
認知症の前段階とも言われるMCI。
この段階で何をするかが非常に重要です。
複数の研究をまとめたメタアナリシスでは、
筋力トレーニングによって
- 実行機能
- 注意機能
- 認知機能全般
の改善が報告されています。
特に週2〜3回の継続的な運動が有効である可能性が示されました。
研究③ 筋肉から出る物質が脳を活性化している
近年最も注目されているのが筋肉と脳のコミュニケーションです。
運動をすると筋肉から
- BDNF(脳由来神経栄養因子)
- イリシン(脳内でBDNFを増やす働きがある)
- カテプシンB(記憶や学習に関わる脳の働きをサポート)
といった物質が分泌されます。
これらは血液を通じて脳へ届き、神経細胞の成長やネットワーク形成を助けると考えられています。
特にカテプシンBは、運動をすることで増加し、記憶や学習など脳の働きをサポートする可能性が報告されています。
つまり、
筋肉は単なる運動器官ではなく、脳を支える臓器でもある
ということです。
上の3つの科学的根拠は脳と身体が密接につながっていることを示しています。
だから脳トレだけでなく、
- 筋力トレーニング
- バランストレーニング
- 歩行練習
- デュアルタスク

を組み合わせて行う必要がありますよね。
もし認知機能が気になり始めているなら、まずは今日から少しだけ身体を動かしてみませんか?
その一歩が、未来の自分の脳を守ることにつながるかもしれません。
参考論文
Exercise induces hippocampal BDNF through a PGC-1α/FNDC5 pathway
掲載誌:Cell Metabolism
著者:Christian D. Wrann ら
発表:2013年
Exercise hormone irisin is a critical regulator of cognitive function
掲載誌:Nature Metabolism
著者:Mohammad R. Islam ら
発表:2021年
Running-Induced Systemic Cathepsin B Secretion Is Associated With Memory Function
掲載誌:Cell Metabolism
著者:Henriette Y. Moon ら
発表:2016年
